2017.03.28

2017年3月28日・深夜1:00

陣痛が始まる。荷物をまとめ、病院へ向かう。

 

1:30 病院に到着。診断を受け、陣痛室へ通される。

四畳程の狭い部屋、あるのはテレビ、トイレ、布団、ヨガマット、何故か天井から釣り下げらている太いロープ。居心地は悪くない。

この時点で痛みはそこまで。痛みの間隔は広く、ほぼ通常通り会話ができる。

・・・

数分毎に押し寄せる激痛。だんだん会話が難しくなる。

8:00 医師による診断、順調との事。間隔は狭く、痛みは強くなり、第三者のサポートが必要に。激痛に顔が歪む。

 

10:00 奥さん分娩室へ。会話も、歩くことも困難に。

自分は分娩室の外で暫く待機。中の様子が気になる。無事であれば良いが。

 

10:30 自分も分娩室へ。できることは声掛け、手を握る、さする。だけ。

何もできない自分が不甲斐ない。

痛みはピークに達し、声が漏れる。顔は紅潮、血管は浮き出し、見ているのも辛い。

早く解放してあげてほしい。

 

13:21 誕生。想像した以上に大きな赤ちゃんを見て、無条件に涙が溢れる。

自分と奥さんの、子。実感なんてまだない、ただ、壮絶すぎる命の誕生を目の当たりにしての涙だ。

が、泣いてる場合じゃない。父には撮影という超・重大任務があるのだ。

 

「お母さん、目開けて!おめでとうございます!」

後から聞いた話によると、奥さんあまりの激痛と疲労により意識朦朧だったと。

ハッと意識を取り戻し対面。目には光るものが。あなたが死ぬ気で産んだの。お疲れさまでした。